フレグランスと私
リレーインタビュー <川辺株式会社>

- 全国のフレグランスコンサルタントをトレーニング、統括している利根川さんにとって、現在もっとも愛用している香水は何でしょうか?
利根川さん:「アクア ディ パルマ イリス ノービレ」は日常使いとして使用しています。フローラル シプレのモダンなシプレの香りで、イリス独特のパウダリーノートが控えめなので、数あるイリスのフレグランスの中でも使いやすい香りです。ラストにかけてだんだんとクリーミーになっていくところと、甘くてまろやかな香りがフェミニンでとても気に入っています。
- 実際の使い方としては?
利根川さん:常にデスクに入れているので、会社に着いたらまず足周りにつけて、ランチから帰ってきたらまたつけ直して、という風に一日の中で数回つけ直します。会社のスタッフにも何の香水を使っているの?という反応があるくらいです(笑)。
- 存在を香りでアピールしていると(笑)
利根川さん:私は、「使う香水によってどんな風に演出したいか」というのを考えないタイプなのです。周囲にどのように思われるかを気にせずに“自分が香りを楽しむ”、というのもフレグランスが持つ魅力のひとつだと思っています。
- 新しくお気に入りの香水を探すときの、選ぶときのポイントは何でしょうか?
利根川さん:ネットで調べて決めて買いに行くというよりは、職業柄、店頭で接客を受けるのが好きなので、売り場で香水を紹介して頂いて選びますね。

- 普段のお仕事とは逆の立場で店頭に行かれるわけですね。
利根川さん:目にみえない香水を選んで買っていただくのですから、自社のフレグランスコンサルタントのスキルアップは重要だと、一消費者として接客を受けてみて改めて実感し、トレーニングにも力が入ります。
- 香水は新商品がシーズンごとに登場してきますが、忘れられない香水、印象に残っている香水はありますか?
利根川さん:母が使っていた香水は思い出深いですね。ニナリッチの「レールデュタン」、ゲランの「夜間飛行」、ウォルトの「ジュ ルビアン」、シャネルの「No.5」や「No.19」は母親が使っていたのでよく覚えています。スタッフに香水の思い出を聞いても、やはり子供の頃の思い出が始まりになっているので、幼少期に香水に触れているかどうかは、その後香水を身近に感じる大人に成長するかどうかという点において、重要だと感じます。
- 夏から秋に向けて気になっている香水はありますか?
利根川さん:香水というより使い方になるのですが、香りのレイヤリングに注目していて、川辺で取り扱いのあるエトロを始め、様々なブランドさんからそのような提案がありますが、ミラーハリスの「ティー トニック」に「レールド リアン」を重ねるのが好きです。重ねる順番によっても香り立ちが変わるので、先に「レールド リアン」をつけて、同じタイミングで上から「ティートニック」を重ねるのが個人的に気に入っています。
- 最近の直営店の反応はいかがでしょうか?
利根川さん:接客重視で香水を見るお客様は百貨店に行かれる印象で、直営店ではあらかじめネットで調べて、買う香水を決めて来られることが多いようです。西武新宿ぺぺでは、ご家族連れでの来店ができるように、直営店ならではの自由さを活かして、様々なイベントを開催したり、お客様に楽しんで香水に触れられるように工夫しています。
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アクア ディ パルマ 気品のあるやわらかなフローラルシプレ |
利根川 朱里 (とねがわ あかり)
川辺株式会社 フレグランス本部 フレグランス部政策課 トレーナー
FC(フレグランスコンサルタント)として有名百貨店で14年間をチーフとして勤務。
その接客スキル、販売スキル、知識量、人望などから
2017年に全FCの教育育成、統括を手がけるトレーナーに就任。