フレグランスと私
リレーインタビュー<株式会社フォルトーナ>

- ㈱フォルトーナのビジネスについて
北郷さん:オーナーが25年前に立ち上げたブランド「フィンカ」の製造・販売と、新宿に直営店1店舗を開いている。
店頭には約30種、並んでいないものを合わせると約60種のオリジナルの香りが揃い、ショットバーで使われるお酒のガラス什器に似せた香水用の什器がユニークで、バーのような雰囲気。今年11月から路面店に改装され、益々盛況だ。

北郷さん:去年SNSをきっかけに、重ねづけすることでお客様それぞれが自分らしい香り使いができるということが広がり、来店客が急増。同時に、自分の好きな人や、好きなイメージの香りを、重ねづけで作り上げていくというメニューを展開したところ、恐らくこれまで香水を使ったことがないであろうお客様の興味を呼び、これまた大反響を呼んだ。
最近では店内に入りきれずに、店外で行列ができるほど来店客が増え、情報番組にもからの取材もあった。
お客様は、中学生からマダム層までと幅広い年代が見えているが、自分につけるよりも名刺やお財布、衣類につける方法も提案している。また自身で創作活動されている方などは、その作品へ香りをつけたりしているようだ。

- 「フィンカ」担当の北郷さん
北郷さん:北郷さんはライフスタイルショップで8年間、化粧品や香り製品の接客販売をしていたが音楽や香りなど目に見えないものへの関心が高まり、フォルトーナのOEM 事業部へ
入社。「フィンカ」を再構築の際に、フィンカの業務に移って2年になる。
- 北郷さんが現在愛用している香りを教えてください。
北郷さん:今気に入って使っている香りは、ベス・テリーの「エレメント オブ デザイア」です。
8年程前にセレクトショップで試した際に気になって、もう一度出直してやっぱり好きな香りだと確信して、ストック分まで買いました。香りの説明にはスノードロップや芍薬と書いてありますが、洋梨や紅茶のようなフルーティさもあって、残り香も気に入っています。男性らしい香りよりもユニセックスな軽やかな香りの方が好みです。
- 思い出の香りはありますか?
北郷さん:一番最初に使ったのはブルガリ ブルーだったと思います。高校生の頃、手頃な価格で手に入れられる機会があったので2本ほど続けて使いました。今思うと、とても香水らしい主張のある香りでした。
- 北郷さんは普段どのように香りを使っていますか?
北郷さん:寝る前に使ったり、お部屋に使ったりすることが多いです。普段お店に居ると香水を浴びたかのように体に香りが移っているので、勤務中は使っていないんです。使う際は、手首や首元につけるのではなく、顔や髪を避けて胸元の高さから空間へ2プッシュほど噴霧しふんわり香水をくぐるようにしています。出来るだけ素肌にまとえるようインナー姿でまとってからシャツを羽織って、近づいたときに気付く程度にふんわりと香るようにしています。
- お店に来られる方はどのように香りを楽しまれている方が多いですか?
北郷さん:名刺や手紙につけたり、財布に入れたりと、間接的に香りを嗅ぐこともおすすめしています。好きな人を感じるような使い方をされていたりもします。中学生の方もたくさん来ていただくので、ボディに使う方法以外も楽しんで頂けていると思います。
- 数ある香りの中でも人気の香りはありますか?
北郷さん:組み合わせると3000通りほどになってしまうので、決まった組み合わせが人気だというのはないのですが、甘い香りが人気です。メンズの香りで人気なのは「風の刀」です。クラシック感のある男性的な香りです。レディースの香りは、ハワイ語で美しい花を意味する「プアナニ」という、キャンディのように甘く美味しそうな南国的な香りです。そこに「モネリア」という柑橘の香りを重ねることで奥行きを与えられる一押しの組み合わせです。
- フィンカの人気の理由はどこにあると考えていますか?
北郷さん:日本人の好みを考慮しつつも、他では買えないオリジナルの香りが楽しめることも魅力のひとつだと感じていますが、僕らが伝える言葉だったりと言う時間も含めて、香りを選ぶ過程を楽しんでいただいていると思います。一年に6〜7種類ほど新しい香りを展開しているので、新たな香りを求めて期間を置かずしてリピートされるお客様もとても多いです。
北郷 尊臣 (ほんごう たかおみ)
株式会社フォルトーナ FINCA香水事業部