フレグランスと私
リレーインタビュー<エッセンチア>

篠原さん:篠原氏は、大学の研究室で有機合成(薬や香料の合成)を専門におこなっていたが、30才で起業。現在、薬局・製造部門である(有)エッセンチアと、研究・開発を行う㈱ルース研究所を経営している。また、自社農園にて薬や香水の原料となる薬用植物を栽培している。

- 店舗
篠原さん:エッセンチアの店舗は、札幌の中心部に1999年にオープン、ラテン語で、エッセンチアの意味である「本質・生命・光」から、「光・水・香・音」をテーマとした店づくりをしている。
取扱い品目は、漢方薬、香水、化粧品、ハーブテイー、フラワーエッセンス、精油、お香、お茶・機能性食品・オーガニック食品、はちみつ等、幅広い商品を製造販売している。

- 農園
篠原さん:オフィスから車で10分ほどの小高い丘に農園を持ち、バラやハマナスを中心とした植物を栽培している。農園の一角に設けられた建物には蒸留設備が完備され、農園で摘まれた花やハーブを、その場で蒸留抽出を行なっている。災害時に備えて井戸水や発電設備も整っているとのこと。(取材の日は雪が降り積もって、一面真っ白だった。)
- 香水
篠原さん:起業する前から香水に興味を持ち、創り始め、20年前にオープンした店舗で販売を始める。今までに1000人以上の個人にオリジナル香水のブレンドを行ってきたことや、様々な香料に接したこと、アコードを学んだこと、自ら植物を育てたことが、独自の調香力を養うことに大いに貢献した。
- オリジナルブランド “DI SER” ディセル
篠原さん:店舗と自社サイトのみで、香水を販売していたが、2011年、東北大震災を機に、日本伝統文化を香水を通して、外国に発信したいと思い立ち、2012年の冬、単身でNYの香水展示会に出展、その後、ドイツ(デュッセルドルフ)・イタリア(ミラノ、フィレンツェ)・フランス(パリ)の展示会で、日本の伝統文化を通したDI SERの紹介を行ってきた。
最近、アメリカでDI SERのファンクラブができ、世界各国から香水の問い合わせが多く来るようになる。また、昨年9月にイギリスのエスクワイア(Esquire UK)誌に日本の匠の技として取り上げられる。
現在の輸出先は、スイス(チューリッヒ、クール)・アメリカ(ニューヨーク・ロスアンジェルス)・スウェーデン・リトアニア・インド・南アフリカ・イタリア(化粧品登録申請中)など。

- 香りとは何?
篠原さん:香りとは、空気中では、目に見えない有機物質。気体であるため、高いエネルギーを持つ。香りは、情報伝達物質であり、情報そのものである。香りは、それぞれが独自の情報を持ち、周りにさまざまな影響を与えることができる。
篠原 康幸
有限会社エッセンチア 代表取締役
所在地: 北海道札幌市中央区大通西20丁目1-3