フレグランスと私

- 2019年4月からFlora Notis JILLSTUARTブランドのご担当になられたということですが、 現在愛用されているフレグランスは何ですか？

雪岡さん：はじめは生花のように瑞々しい『フレッシュピオニー』が一番のお気に入りだったのですが、季節の移り変わりとともに、ムスクやローズが入って深みのある『リッチカメリア』の香りに惹かれるようになっていって、日本人は季節の移り変わりを肌で感じて、纏いたくなる香りも自然と変わっていくんだなと実感を持ちました。今は『フレンチローズ』と『リッチカメリア』を気分で使い分けて楽しんでいます。

- 同じようにお客様も季節によって選ばれる香りは違ってくると感じますか？

雪岡さん：そうですね、お客様の嗜好も、例えば春夏は『フローラルグリーン』や『ジャスミン』が人気で、秋冬は『フレンチローズ』や『リッチカメリア』を手に取る方が増えるようになります。９月に発売した『オスマンサス』は金木犀のシーズンと重なっていたので、ちょうど探していましたと言ってくださる方も多かったですね。

- 季節や気分で香りを使い分けていらっしゃるようですが、フレグランスを選ぶ際のポイントは？

雪岡さん：大学生の頃はとにかく流行っている香りを店頭に試しに行って、気に入ったら購入するという選び方でした。新卒でコーセーに入社し、スタートは国際部だったので海外出張の際には、時間がなくても必ず免税店に立ち寄ってフレグランスを購入する意気込みで（笑）、人気ブランドの商品を購入していました。海外出張の楽しみのひとつだったと思います。思い返すと、接客を受けるというより流行っているものを買っていたので、結果的には好みと違う香りだったという失敗も結構ありましたね。
その後３０歳くらいの時に、アパレルのセレクトショップで嗅いだペンハリガンの『エレニシア』の香りに一目惚れし即決で購入したのですが、それをきっかけに”流行の香り“よりも、人とかぶらない香りや自分に似合う香りを意識するようになりました。
ペンハリガンは気に入り過ぎて夫にも薦め、夫はブレナムブーケを購入し、ペアで同じブランドを愛用していました。香水やボディケアで香りを纏っていると、子供からも「ママいい匂いだね」と言われたりすることもあって、子供の嗅覚ってすごいなと感心します。化粧品の仕事の一環として流行には関心がありますが、子供が生まれてから一時期自分のために香りを選びにいくことが無くなっていたのは今思うと残念で、その頃ももっと積極的に香りを取り入れ楽しめればよかったなと・・・。

- 今ではご主人やお子様とも香りが話題に挙がる、素敵な毎日をお過ごしのご様子ですが、実際はどのタイミングでフレグランスを纏っていますか？

雪岡さん：フレグランス協会を始めとする専門家の方々から香りの纏い方を伺い、そこからFlora Notisというブランドとしての美しい纏い方を定義し、自らも実践しています。女性らしさを大切にしているブランドですので、肩、ウエスト、足首の６箇所へ、朝の着替えの際に纏うようにしています。日中は気分転換も兼ねて、ヘアフレグランスのアイテムで付け足しをしています。

- 初めて購入したフレグラス、思い出に残る香水や香りはありますか？

雪岡さん：あります！エリザベスアーデンのサンフラワーです。高校生の頃はアメリカに住んでいたのですが、ショッピングモールや雑誌の折込みなどの至るところからこの香りが漂い、流行っていた記憶があります。当時の私には少し強い印象がありましたが、キラキラ輝いて見えた可愛いアメリカ人の女の子達に憧れ購入しました。パッケージを思い出すだけで当時のアメリカでの生活が映像のように鮮明によみがえる、甘くて切ない青春の香りです。

- Flora Notisにかける思いは？

雪岡さん：年代を超え、また、ライフスタイルの折々で手に取り楽しんでいただけるブランドになって欲しいと願っております。Flora Notisの製品は全てフローラル系で、実際に特徴的な香りを持つ花がテーマだったり、カメリア（椿）のように典型的な香りを持たない花をテーマにした製品も展開しています。実際の花の香りに近い香水も素敵ですが、香りを深く知るにつれ、花の持つストーリーやイメージから紡ぎ出される香りを表現した香水も素敵だと思っています。そんな魅力も伝えていけたらいいなと思います。

※写真は "Duo Flower"をコンセプトにしたドライフラワーを取り扱う唯一のコンセプトショップ札幌ステラプレイス店