フレグランスと私

リレーインタビュー <Rフレグランス>

- 村井さんが香りの仕事に携わられたきっかけは?

村井さん:もともと香水が好きで、集めているうちに調香師という職業があることを知りました。調香師になるための専門教育を受け、企業で調香師として勤務しました。独立後に香水ブランドを発表し、現在にいたります。

リレーインタビュー <Rフレグランス>

- それが”Rフレグランス”ですね。どのような特徴のブランドですか?

村井さん:日本の豊かさと癒しを香りで表現するブランドです。Rフレグランスの“R”は、「RIN(凛とした)」、「RICH(贅沢で豊かな香りであること)」、「RARE(希少性の高い他にはない香りであること)」のそれぞれの頭文字を取ったものです。日本人の繊細な感覚で、日本の気候風土や文化に合わせ作られたこのブランドの香りは、湿度の高い日本の気候の中でもまとった方を魅力的に見せることができるようにと考えて生まれました。
調香をはじめ、製造・充填などを日本国内で行っているのもそのような理由からです。

- ご自身で店頭に立たれた際などに、お客様との会話で印象的だったことはございますか?

村井さん:お客様の多くの方が、「自分に似合う香りはどれですか?」と尋ねてくださることです。
皆さまは丁寧にご自身の状況や、目標・目的、性格、好きなものなどを教えてくださいます。ご自身の好みを大切にしながら、人に与える印象、自分らしさ、使用するシーンにも細やかに気を遣っておられる様子が印象的です。

- 初めて購入した、あるいは思い出に残る香水は?

村井さん:香水を初めて手に取ったのは中学生の時で、某ラグジュアリーブランドの、とても都会的な香りでした。当時の雑誌で、“洋服が買えなきゃ香りで大人に!”といったようなフレグランスの特集が組まれていて、たまたまそれを見て香水を購入したのですが、使い続けるうちに、一瞬で自分の印象や心までも変えることができる香りの力に気が付いて、どんどんと魅了されていきました。

- どのようにフレランスをまといますか?

村井さん:朝は、その日に会う方や予定、気温、伺う場所、気分や演出したいイメージなどに合わせて香水を選び、香りの強さや服装の雰囲気によって調整しながら、手の内側やウエストへ、トータルで2〜3プッシュ程度まといます。
夜寝る前は、自分のためだけに香りを選び、肩甲骨の間に2プッシュ程度スプレーします。こうすると、香りに包まれてとても幸せな気持ちになって休めます。

リレーインタビュー <Rフレグランス>

- これからのシーズンにおすすめしたい製品はありますか?

村井さん:梅雨の時期に特におすすめなのは、Rフレグランスの「OPAL SILK(オパール シルク)」です。湿度を多分に含んだ空気感の中でまとうと、まるでフロストガラスに舞った柔らかな霧雨のように感じます。私はOPAL SILKを「癒しのための香り」と呼んでいます。日本は湿度が高いのに湿度に弱い方も多く、そんな時でもそっと寄り添ってくれる香りだと思います。

- 今後の展望をお聞かせください

村井さん:私たちは、その時に必要な香りでその方の心にそっと寄り添う、そんな香りやブランドでありたいと考えています。
“すれ違った時に良い香りがする”
“ふとした時に奥ゆかしく香る“
“香りで忘れられない人になる“
これは、アールフレグランスが考えるジャパニーズエレガンスの形です。
私たちは引き続き、嗅ぐことで癒しや潤いを取り戻し、豊かな心になる香りとともに、このようなジャパニーズエレガンスを体現して参ります。

Profile

村井 千尋(むらい ちひろ)
株式会社R fragrance
代表取締役 調香師

香りの原料や調香技術の専門教育を受け、企業で調香師として勤務した後、独立し、日本発のラグジュアリー香水ブランド“R fragrance”を発表。日本の気候、風土、文化に合わせた繊細な香りを手がけるなど、様々な活動を通して、香りの正確な知識と文化の普及に務めている。