フレグランスのABC(WEB版)
1.フレグランス(香水)とは
フランス語の"parfums パルファン"、英語の"perfume パフューム"は、ラテン語の"per fumum 煙を通して"を語源としています。太古の時代には芳香の植物・樹脂などを焚き、天に立ち昇る煙を通して神への祈りを捧げました。その後、体の身だしなみやファッションとしてフレグランスが使われるようになりました。
香料産業が発達した現代では、化粧品やフレグランス製品に使用される香料を"フレグランス"、食品に使用される香料を"フレーバー"と呼んでいます。
欧米ではフレグランス製品をフレグランス、パルファン、パフューム、などと様々に呼んでいますが、日本においてはフレグランスまたは香水と呼ぶのが一般的です。
フレグランスがもたらす豊かな生活
私たちの身の回りには様々な「香り」の商品があります。
- フレグランス
- アロマオイル(アロマセラピーに使用)
- ハーブ
- 環境の香り(ショッピングセンター、ホテルなど)
- 室内インテリア(ルームフレグランス、お香など)
これらの中で、フレグランスは、殆どの日本人がその存在を知っていても、積極的、密接に自分の生活に取り入れている方はまだ少ないのではないでしょうか?
フレグランスには2つの役割があります。
フレグランスは、良い香りを身に着けて、相手に自分を伝える、素晴らしいコミュニケーションの手段です。
*身だしなみ - 清潔できちんとした好感をもたらす印象を相手に伝える。 *ファッション - 自分のファッションスタイルを、香りが引き立てる。 *パーソナリティー - なりたい自分のイメージを香りで伝える。 有能 強い 優しい 若々しさ 大人の女性 セクシーなど
心(マインド)に働きかけて、豊かな気分にしてくれる
(リラックスする・元気になる・活発になる・ロマンティックに浸る・心を鎮める など)
アロマコロジーとは、アロマ(aroma=芳香)とサイコロジー(psychology=心理学)を結びつけた造語で、フレグランスや化粧品の香り(芳香)が心理的にもたらすポジティブな効果を言います。香りを嗅ぐことで間接的に心身が快適になるという考え方です。
一方、アロマテラピーとは、天然の植物性精油を様々な方法で用いて、心や身体の不調を予防、解消することを目的とした自然療法をいいます。
人間である私たちは無意識にそれぞれの"におい"を発信して、人とのコミュニケーションをはかっています。その"におい"が文化として高められたのが、フレグランス。人と人との絆をつくり、心を豊かにし、私たちに楽しい毎日をもたらしてくれます。
2.賦香率によるフレグランスの種類
フレグランスは主に、香料とアルコールと蒸留水でつくられています。その中に含まれる香料の割合を賦香率(ふこうりつ)といいます。賦香率が高いと香りの持続時間が長く、低いと短くなるのが特徴です。
賦香率によって下記の様な種類に分けられます。
賦香率によるフレグランスの種類
種類 | 賦香率(%) | 持続時間 | 特徴・用途 |
---|---|---|---|
パルファン/ Parfum / Extrait |
15~30 | 5~7時間 | 最も豪華で深みがあり、持続時間が長いのが特徴。フォーマルな席に相応しい格調高いタイプ。 |
オードパルファン/ Eau de Parfum / Esprit de Parfums |
8~15 | 5時間前後 | パルファンとオードトワレの中間。持続力はありながらオードトワレに近い気軽さで、近年人気が高いタイプ。 |
オードトワレ/ Eau de Toilette |
5~8 | 3~4時間 | カジュアルな感覚で、朝からでも気兼ねなく使える最もポピュラーなタイプ。 |
オーデコロン/ Eau de Cologne |
3~5 | 1~2時間 | オードトワレよりも更にカジュアルだが、最近では少なくなってきているタイプ。 ファッション性を追求するよりは、スポーツタイムや湯上り、お休み前などに全身へたっぷり使えるライトな香りで、リフレッシュ効果も得られる。 |
最近、主として日本では次のような香りの商品が販売されています。
生活臭が吸着しやすい髪を保護しながら柔らかく香る「ヘアミスト」、アルコールフリー処方で、髪を含む全身にたっぷり使える「ボディミスト」は価格も手ごろな香りのアイテム。
しかし、より華やかで洗練されたイメージを伝えるにはオードトワレやオードパルファンをお薦めします。
※法律で定められているものではない為、各メーカーによって賦香率の%は違います。
また、種類の表現もメーカーにより違う場合があります。
3.香り立ち
時間の経過に伴って香りが変化していく状況を「香り立ち」または「匂い立ち」と呼びます。フレグランスボトルを開けた瞬間、肌に付けた時に感じる印象、そして時間が経つにつれて変化していく様子、もう消えてしまいそうになりながら肌に静かに残っている・・・。このように、香りが少しずつ変化していくのを経験されたことがあると思います。
フレグランスは何十、何百という数の香料を混ぜ合わせて作り、完成されたフレグランスは肌に付けた時、揮発度の高いものから低いものへと順に香り立って変化していく特性があります。
この変化は大きくトップノート、ミドルノート、ベースノートの三段階に分けられます。
フレグランスは何十、何百という数の香料を混ぜ合わせて作り、完成されたフレグランスは肌に付けた時、揮発度の高いものから低いものへと順に香り立って変化していく特性があります。
この変化は大きくトップノート、ミドルノート、ベースノートの三段階に分けられます。

トップノート(ヘッドノート/先立ち)
香りを嗅いだ時に感じる最初の印象。つけてから5~10分位に香る部分で、揮発性の高い香料が感じられます。
レモン、ベルガモット、ラベンダー、タイム、アルデヒドなどが主に香ります。
ミドルノート(ハートノート/中立ち)
香りが調合される上で一番の骨格となる部分。つけてから30分~2時間位に香る部分で、パフューマーの表現したいイメージが一番現れています。配合されている全ての香料がバランスよく香る部分です。
ベースノート(ラストノート/後立ち)
香りをつけてから2時間以降、香りが消えるまでの残り香で、自身の肌の上でその人独自の香りとなる部分です。
持続性の高いムスク、アンバー、パチュリ、サンダルウッドなどが感じられます。
4.香りのタイプによる分類
フレグランスは香料会社や化粧品メーカーにより様々な分類の仕方がありますが、日本フレグランス協会ではドイツの香料会社シムライズのフレグランス分類(Olfactive Family=香調)を参考に、女性用、男性用の香りを区別、また日本市場に合わせて編集しています。
代表的な香りのタイプ : 女性用
香りのタイプ名 | 特徴 |
---|---|
シトラス | クラシックで伝統的なオーデコロンと同様に、一貫してフレッシュな柑橘系が中心に香る。ユニセックスに使用できる香り。 |
フローラル | 花の香料を特徴的に使用したり、また特定の花のイメージをテーマに作られた香り。 |
オリエンタル | オリエンタル(中近東)原産のスパイスや、動物性香料を思わせるエキゾチックで官能的な香り。 |
シプレ | 柑橘系にオークモス(苔)、ウッディ香料などがブレンドされた神秘的な香り。 |
代表的な香りのタイプ : 男性用
香りのタイプ名 | 特徴 |
---|---|
シトラス | クラシックで伝統的なオーデコロンと同様に、一貫してフレッシュな柑橘系が中心に香る。ユニセックスに使用できる香り。 |
フゼア | 柑橘系にラベンダーを中心とするナチュラルなハーブ、クマリンが配合されたメンズならではの香り。 |
オリエンタル | オリエンタル(中近東)原産のスパイスや、動物性香料を思わせるエキゾチックで官能的な香り。 |
シプレ | 柑橘系にオークモス(苔)、ウッディ香料などがブレンドされた神秘的な香り。 |
その他のタイプ
香りのタイプ名 | 特徴 |
---|---|
グリーン | 刈り取った草や葉、茎の青々さを思わせる躍動的な香り。 |
フルーティー | リンゴや梨、桃などのジューシーなフルーツを思わせる香り。 |
アクアティック | みずみずしい、または、湿り気を感じさせる香り。マリンともいう。 |
パウダリック | 柔らかく、白粉のような化粧品らしい粉っぽさを感じさせる香り。 |
スパイシー | ペッパー、クローブ、カルダモンなどのピリッと辛い薬味や辛味を感じる香り。 |
ウッディ | 様々な樹木の香りが織りなす、落ち着いた温かみのある香り。 |
5.フレグランスを楽しむ
毎日いろいろな場面でフレグランスを楽しんでください。
1.コミュニケーションの場面で
-
仕事 オフィスワーク・営業・接客など
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会合・レセプション
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結婚式など、お祝いの場面
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家族・友人とショッピング、食事、ティータイム
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男と女の時間 デート ・ 婚活
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スポーツ ・ アウトドア
2.自分の心に。アロマコロジー
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家でくつろぐ一人の時間
-
寝る前のひととき
どこに、どうつける?

ほのかに香るために最も良いのは、シャワーやお風呂上りの清潔な素肌にまとうこと。
すなわち、衣服を着るように香りをまとうのです。スプレーする場所は図を参考にしてください。
フレグランスは汗の臭いを消せるのか?
残念ながらすでに悪臭となっている汗の臭いをフレグランスでごまかす事はできません。
- 外出前に清潔なボディにフレグランスをしっかりとスプレーしておけば、汗の臭いよりも先にフレグランスが香り立ちます。
- 外出先で付け直しをする場合は、汗ふきとりシートなどで汗を一度拭いて肌を清潔にしてからフレグランスをスプレーしてください。
- 汗の臭いそのものを防ぐには、デオドラント剤、制汗剤の使用をおすすめします。

お気に入りの一本に出会うために
男性も女性も自分のお気に入りの一本を探しましょう。どんな自分になりたいかをイメージしてみて下さい。 香りは色や形がなく目に見えないので、自由に冒険して、なりたい自分の魅力の幅を広げてください。そのためにはまずフレグランス売り場でのアドバイザーに、なりたい自分の希望を話してください。香りでイメージチェンジをしたい、彼女にプレゼントしたい、オフィスで好感を持ってもらいたい、等々。自分の趣味やこだわりの物を伝える、好きな花の名前を伝える、それだけでも、フレグランスアドバイザーはいくつかの候補を提案してくれます。それでも一度に試すのは多くても5種類が適当でしょう。
ムエット(試香紙)に気になる香りをつけてもらい、アルコールを飛ばしてから香りをチェックしましょう。気になる香りをみつけたら自分の肌につけて、実際にどう自分が香るかをチェックします。手首の脈打つところや腕の内側などにひと吹きしてもらい、時間の経過と共にどう変化するかを確かめてください。香りは人のコンディションや体温、また季節によって多少変化します。体温が比較的高い人は香料が広がりやすく、低温の人は広がりにくいということがあります。また体調が良くない時はなるべく避けた方が良いでしょう。
フレグランスと日本の季節
日本には四季があるので、季節によってここちよく感じられる香りが異なります。
梅雨から夏にかけて | 湿度が高いので香りが強く重く感じられます。 したがって柑橘系に代表される揮発の早い香料を用いたフレグランスが適しています。 |
秋から冬にかけて | 空気が乾燥するこの季節は、ウッディ系の揮発が遅く持続性のある香料を用いた、温かく重厚感のある香りがピッタリです。 |
フレグランスの保存方法
一度開封したフレグランスは1~2年で使用するのが目安です。なるべく良い状態で品質が維持できるように保存します。
- 直射日光、極度の高温・低温・湿度の高い所を避けて、保存してください。
- キャップをきちんと閉めておきましょう。スプレー部分を拭いておくとノズルの詰まりも防止できます。
- 使用頻度が低いものはパッケージボックスに入れ、環境変化の少ない冷暗所に置いておくと良いでしょう。
- もしフレグランスの色が濃くなるなど変色している場合は、香りの劣化も考えられます。そのまま肌に付けるとトラブルが起きることもあるので注意しましょう。
6.香料
画家が"色"を組み合せて絵を描き、音楽家が"音"を組み合わせて作曲するのと同じように、フレグランスを創るパフューマーは目に見えない"香料"を組み合わせてフレグランスや化粧品などの香りを創ります。
香料とは
地球上に存在する有機化合物(炭素原子を含むもの)は200万種類以上存在し、そのうち匂いを有する物質、即ち"匂い物質"は約40万種類存在しているといわれています。
その匂い物質のうち、人間の生活に有効活用されているものを総称して"香料"と呼び、天然と合成を併せて6,000種以上ともいわれています。その中でも汎用的に利用される香料は約500から800種類程度になります。
香料の分類
香料はその製法から大きく天然香料と合成香料に分類されています。
天然香料
天然香料には植物から採取される植物性香料と、動物から抽出される動物性香料があります。動物性香料はムスク、シベット、カストリウム、アンバーグリス、ビーズワックスなどですが、ワシントン条約の規制対象になっていることから、現在ムスクとアンバーは代替香料を使用することがほとんどです。
天然物から蒸留、圧搾、抽出などの物理化学的手段によって取り出した匂い物質を天然香料といいます。
- 【フレグランスで使用される代表的な植物性の天然香料】
- 花(ローズ、ジャスミン、ミモザ、イランイラン、チェベローズ)
- 葉(パチュリ、ユーカリ)
- 全草(ペパーミント、ゼラニウム、ラベンダー)
- 木(サンダルウッド、セダーウッド、ローズウッド)
- 樹脂(ベンゾイン、ラブダナム)
- 根(ベチバー、イリス)
- 果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)
- 苔(オークモス、モス)
- 種(アニス、カルダモン、コリアンダー)
- 莢(バニラ)
19世紀に合成香料が発明されるまでフレグランスはすべて天然香料から作られていました。しかし天然香料は、土壌、気候による品質・収穫量の変動、価格の不安定さ、安全性・安定性、資源保護などの問題により、合成香料の発達とともに下火になりました。
とは言え、現代でも天然香料の持つ自然で奥行きのある神秘的な香りは、フレグランスを創る調香師たちを魅了してやみません。それゆえ希少性の高い上質の、天然香料を使用して創られる、いわゆるメゾン系フレグランスは、近年の世界的な自然志向に伴って、再び世界市場で注目を浴びています。
代表的な天然香料
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ローズ
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ジャスミン
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イランイラン
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ラベンダー
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チュベローズ
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オークモス
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カルダモン
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ゼラニウム
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バニラ
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ベルガモット
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イリスの根
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アンバーグリス
合成香料
合成香料は単体香料と呼ばれ、天然香料に含まれている成分を単離した単離香料と、石油などを原料に化学工業技術によって合成される合成香料があります。
合成香料は19世紀に発見されました。
合成香料を配合した初めてのフレグランスは、ウビガン社の「フジェールロワイヤル」(1882年 現在は廃盤)です。合成香料クマリンにラベンダーなどを混ぜ合わせた香りは一大旋風を巻き起こし、以後このような香りを"フゼアタイプ"と呼ぶようになりました。今日でもクマリンはフゼアタイプのフレグランスには欠かすことの出来ない香料です。
フレグランスの世界を変革し、近代フレグランスの始まりと言われるゲランの「ジッキー」(1889年)には、1876年に発明されたバニラ様の香気を持つ合成香料バニリンが配合されています。バニリンは21世紀の現在においてもオリエンタルタイプの深みや甘さを表現する上で極めて重要な香料となっています。
合成香料の発明は、近代フレグランスの礎を築いたほか、フレグランスを安定的に、安価に、大量に作ることを可能にしました。これによって、フレグランス市場は飛躍的に発展し、次から次へと新しいフレグランスが発表されるようになりました。
また合成香料の発達により、フレグランスのタイプにバリエーションが増えたほか、天然香料の香りに近いものをより忠実に再現することや、今までにない画期的な香りを創ることができるようになりました。
現在、合成香料は、人体や環境に悪影響を与えず安心して使用できるよう、その安全性については厳しい評価基準のもと開発されています。安価で安定的に利用できる合成香料の果たす役割は今後ますます大きくなるといえます。

7.歴史 ~アルコールの発見以降現代まで~

フレグランスの原料である香料を得るための蒸留法は、10世紀にアラビアの医師によって発見されました。また12世紀のイタリアの文献にはブドウ酒からアルコールが作られたと記されています。このアルコールの発見により、後に香料とアルコールを合わせてフレグランス類がつくられるようになりました。
フランスにフレグランスが誕生するのは、16世紀、イタリア・フィレンツェのカトリーヌ・ド・メディチがフランスの王位継承者アンリ2世との結婚のためにフランスへ嫁ぎ、フレグランスの情報を伝えることに始まります。香料のメッカと言われてきた南フランスのグラースですが、カトリーヌは香料植物を育てるのに適した土地としてこの地に植物を栽培させたと伝えられます。

グラースはもともと皮革産業が盛んなところで、皮手袋を作る職人たちは、なめし皮の臭いのマスキングに香料を用いるようになりました。
時代が革製品を求めなくなった後は、香料の製法だけが残り、フレグランス産業への転換が図られるようになりました。
時代は下り、19世紀になると天然香料に加え合成香料が発見され、フレグランス専門店は多様なフレグランスを発売していきます。特に合成香料の発達は大量生産を可能にし、フレグランスは見えない宝石として、美しいものを表現するアートとして、特権階級の嗜みとなります。
20世紀初頭にはファッションデザイナーが、ファッションの総仕上げにフレグランスを誕生させ、戦後は多くのファッションブランドが自分たちの成功の証としてフレグランスを作りだしてきました。その後も異業種ブランドがフレグランス分野に参入し、現在では数多くのブランドからフレグランスが発売されています。
近年、フレグランスはファッションとしてだけでなく心理面に及ぼす影響も取り上げられ、香りは脳の命令系統に働きかけて、様々な気分にさせてくれることも知られるようになってきました。
21世紀に入ってからメゾン系フレグランスと呼ばれる、希少性が高く上質な香料を用いたフレグランスブランドも台頭しています。
8.フレグランスはアートである
画家が絵画を描くように、作曲家が音楽を創るように、嗅覚を魅了するフレグランスも香りのアーティストが創り出します。香りのアーティストは、調香師、または、パフューマーと呼ばれます。
調香師は数百、数千に及ぶ香料の中から、表現しようと思うコンセプトに合ったものを選び出し、各々の香料の配合比率を決め、処方を作成します。
処方はいわば料理のレシピのようなものです。コンセプトをいかに香りで表現するか、それがアーティストである調香師の創造性。フレグランスは単に香料を混ぜ合わせたものではなく、アート作品なのです。

フレグランスは液体なので、自ずとそれを入れるボトルが必要となります。そして、ボトルもコンセプトを表現するもの、アートの一部です。
どのようなボトルに入れるか、ラベルはどんなデザインにするか、パッケージはどうするか。
目に見えない香りを視覚的に表現するこれらのものは、コンセプトを表現する作品の一部として、香りそのものと同様にフレグランスには欠かせない存在です。
そして、ネーミング。フレグランスのネーミングは、作品の象徴とも言える大切な要素です。
名香と言われているフレグランスは、そのいずれもがアートとしての魅力があり、見るもの、そして嗅ぐものを魅了します。
フレグランスが語りかけてくるストーリーを嗅覚で感じつつ、ボトルやパッケージを視覚で楽しみ、そして、ネー・ミングに込められた意味に思いを馳せてみて下さい。
そのフレグランスの持つアートの世界が広がり、それは音楽や絵画などと同じように私たちの生活をより豊かなものにしてくれます。

素晴らしい音楽や絵に心を動かされるのと同じように、素敵な香りの作品にはストーリーがあり、嗅いだ瞬間に香りが心に届き、美しさ、楽しさ、喜び悲しみ、思い出などを感じさせてくれる素晴らしいアートなのです。
9.長く愛されているフレグランスたち発売以来10年を超えても日本で人気のフレグランス
商品名/ブランド | 香りの特徴 |
---|---|
トレゾア ランコム(1990) |
新鮮なバラと甘く魅惑的な香りが配合された華やかで気品のあるフローラルセミオリエンタルの香り。 |
ロードゥ イッセイ イッセイ ミヤケ(1992) |
水をテーマとしたイッセイ初の香水。 マリン・オゾンノートの火付け役の香り。 |
オ・パフメ オーテヴェール ブルガリ(1992) |
日本のお茶の文化と地中海の暖かさ、爽やかさを融合させたリフレッシュ感溢れるフローラルの香り。 |
シーケーワン カルバン クライン(1994) |
シンプルな柑橘系の香りは男女問わず使用できるユニセックスの先がけ。カジュアルに楽しめるシトラスの香り。 |
ブルガリ プールオム ブルガリ(1995) |
男性の持つ華やかな存在感と洗練、清潔感を感じさせるダージリンティを特徴とするオリエンタルの香り。 |
ジャドール クリスチャン・ディオール(1999) |
究極のフェミニティ、洗練されたエレガンス、センシュアリティを表現するフローラルの香り。 |
ベビー ドール イヴ・サンローラン(1999) |
少女と大人の間を揺れ動く自由気ままな女性をイメージ。 若々しいフルーティフローラルの香り。 |
ココ マドモアゼル シャネル(2001) |
リッチでセンシュアルでありながら、軽やかでフレッシュな洗練されたフレッシュオリエンタルの香り。 |
ライト ブルー ドルチェ&ガッバーナ(2002) |
地中海の官能性とそこに降り注ぐ陽光をモチーフとしたフルーティフローラルの香り。 |
エクラ・ドゥ・アルページュ ランバン(2003) |
春の息吹のような柔らかな光を感じる透明感のある香り。 フレッシュモダンなフローラルの香り。 |