フレグランスフォーラム

2020年

ウッド(OUD、またはAgarwood)南イタリアにレッジョ・ディ・カラブリアという町があります。イオニア海に面した温暖な地域で、メッシーナ海峡の対岸にはシシリア島が広がり、とても風光明美な歴史あるところです。周辺には様々な柑橘植物が生育し、オレンジ、レモン、マンダリンなどイタリアを代表する柑橘精油の産地です。

その中でも、ベルガモットはここの特産で、その香りは古くから名香と言われる香水の原料として人気の高い香料です。この果実は毎年12月から2月頃までが収穫期で、緑色の果皮を特殊なペラトリーチェという機械でけずりとり、得られた精油は更に遠心分離機を通して精製されます。

その香りはいわゆるシトラスの香りではなく、リナロールとリナリルアセテートから醸し出されるフローラルフレグランスのような華やかさが感じられます。しかし、この精油にはフロクマリンという物質が微量含まれており、皮膚の上で太陽光を浴びるとシミの原因になることが判っています。現在ではそれらの物質を取り除く方法が確立されていて安心して使えるようになりました。

山本香料株式会社
代表取締役社長
山本 芳邦