フレグランスフォーラム

2014年

ダマスクローズバラは、バビロン、古代エジプト、ペルシャの庭園ですでに栽培され、その美しい姿と香りが楽しまれていたという。

香料用に栽培されるバラに芳香のバラを交配して作り出されたダマスクローズ(学名Rosa damascena Mill.)がある。

現在、ブルガリア、トルコが主産地で、インド生まれでペルシャ育ちのこのバラは、シリアのダマスカス(Damascus)を経由してトルコ、バルカン半島に拡がったことから、ダマスクローズと呼ばれる。

花を水蒸気蒸留あるいは水蒸留して精油・ローズオイル(rose oil)を得る。実際には、最初に得た精油(direct oil)と、下層に溜まった芳香水(first water)を少し濃縮して浮かせた芳香油(water oil)を混合してローズ オイルとする。
精油はオットーローズ(otto(attar) of rose)とも呼ばれるが、アラビア語のフレグランスに当る言葉に由来する。溶剤抽出した花精油・ローズ ブルガリアン アブソリュート(rose Burgarian absolute)も生産されている。精油の香りは軽くて強く、ややスパイシーなピリッとしたさわやかさがある。花精油の香りは花香に近く、しっとりとしてフローラルである。ともに高級フレグランス製品用に、また、精油は飲食品用にも利用される。蒸留は、医薬、飲食品の風味付け、祭礼などに使われるローズ水(Rose water)などを得るために発達した。

 

解説

にほひすと&かおりすと 吉原 正明