フレグランスフォーラム

2016年

ローズドメイダマスクローズと並んで、香料製造用に栽培されているバラに、ローズ ド メ(rose de mai、フランス語で五月のバラの意)というピンク色の多弁のバラがある。

花びらが多いことから、センチフォリアローズ(学名Rosa centifolia L.)(百枚も花びらがあるバラの意味)と呼ばれ、また、花びらがキャベツのように重なっていることから、英語ではキャベッジローズと呼ばれる。

ダマスクローズと、白色で多弁の大きな花を咲かせるアルバローズとの交雑種と考えられている。南仏、モロッコで栽培される。 南仏では、花が大きく、精油含有量も多い品種・double種も栽培されている。これらの花を溶剤抽出して、花精油・ローズ ド メ アブソリュート(rose de mai absolute)が得られる。花から芳香成分を溶剤抽出して得られる香り高い凝固品のことを花精油(アブソリュート・absolute)と呼ぶが、ローズ ド メ アブソリュートは、ジャスミン アブソリュートとともに、歴代フレグランスの創作に必ずといっていいほど用いられる代表的な花精油である。しっとりした、バラらしい芳醇な香りで、他の花精油や精油とよく調和する。中国産のローズ・玫瑰(学名Rosa maikai Hara)や、ハマナス(学名Rosa rugosa Thumb.)からも花精油(absolute)が得られ、フレグランス製品用に用いられる。

 

解説

にほひすと&かおりすと

吉原 正明