フレグランスフォーラム

香料を知る

2013年

ミツバチ類の働きバチは、天候がよく採蜜できる花の量が多いと、蜂蜜の貯蔵庫が満杯になるため、体内に蜜を貯めるが、貯まり過ぎると、その一部が体内で蜂蝋(ビーズワックス・bee’s wax)に変換され、腹の裏面の蝋腺から分泌したビーズワックスを口に入れてリボン状にして、六角形の貯蔵庫・蜂の巣(ハニカム、honeycomb)を共同作業で増築していく。
ビーズワックス5年以上経ったハニカムには、蜂蜜や花粉の匂いが染み込んでいる。
欧州、アフリカ、中近東の一部に棲息し、養蜂に広く利用されているセイヨウミツバチ(Apis mellifera L.)の巣を取り出してスライスし、温めて溶かし、ろ過して蜂蜜を垂らしとり、さらに巣を遠心分離して蜂蜜を採った後、巣を水洗し、鍋に流し込んで冷やして固めて、蜜ロウ(蜜蝋)を作る。これを直接エタノールで洗い出し、エタノールを溜去して、bee’s wax absuluteという動物性香料を得る。採蜜した花の種類の違いでabsoluteの香気は異なるが、グラースの天然香料メーカーはグラース近辺のクローバーから採蜜するミツバチが作るbee’s wax(仏語はcire d’abeille)から、マイルドで甘く、花粉様の、干し草的、蜂蜜的な、亜麻仁油を想わせる香気を発する固形状のbee’s wax absoluteを製造する。合成香料主体の調合香料を丸く、ふくよかにする(round off)のに有効である。

 

解説

にほひすと&かおりすと 吉原正明

2013年

foram-02-1地中海沿岸の自然の恵みとして、柑橘類の中で

オレンジに次ぐ重要な果実を生むレモン

 

Citrus limon (L.)Burmann)は、実はヒマラヤ山脈東部山麓が原生地で、インダス文明で利用され、語源はヒンドゥ語。メソポタミア文明で栽培が拡がり、ユダヤ人が地中海沿岸に広め、欧州アレキサンダー大王がペルシャからギリシャへ持ち帰り、十字軍遠征で欧州全体にもたらされた。

アメリカ大陸へは15世紀末、コロンブスが2回目の渡航時、船員の壊血病対策に運んでから拡がった。

 

 

シチリア島、スペイン、カリフォルニア、アルゼンチン、ブラジルなどで大規模栽培され、
精油も生産されている。

 

foram-02-2果皮を圧搾して収率0.2から0.3%でレモン ピール オイル(レモン精油)を得る。昔は手とスポンジで搾油していたが、今は機械搾油が主流である。

 

フレッシュ、スウィートな匂いであるため、香粧品用香料のフレッシュな上立ちとして、またオーデコロン類の香りのボディノートとして、さらには、清涼飲料用に無くてはならない天然香料の一つである。Rive GaucheやDrakkar Noirなど、多くのフレグランス製品で爽やかさを演出している。

レモンの小枝、葉を水蒸気蒸留して得る精油はプチグレンシトロニエ 油と呼ばれ、匂いがグリーン、ビター、フレッシュでパワーがあり、男性化粧品用香料に多用される。

 

解説

にほひすと&かおりすと 吉原正明

5 / 512345